今まさに、カンちゃんは大急ぎで走って行きました。
もう、自分の居場所は無いと、盛大な溜め息をつきながら。

私はというと、彼が走りだすのをただ呆然と見つめていて。
「また、必ず会うから」と(彼にも私にも)言い聞かせつつ、
たんぽぽをつんで小さなブーケを作りました。

溜め息は、私を駆け抜けた。
白桃色の雪と共に。


*はるのいろ*



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