季節は丁度一周巡り、また光るあの時期がきたみたい。
何故かしら?あの時の事、急に思い出せちゃうの。
直接当たる人工的冷風は私の体を冷やすから、季節外れのセーターを羽織っています。
今でも。相変わらず体温は低いままを保っているみたい。
去年買ったビニールバックは、言った通りに結局使えずにリビングで溶けています。
今でも。海の匂いは私と相性が良くないみたい。
二人の擦れた声と、喉に残る味、今も思い浮かべられるよ。
滅多に感情的にならない貴方の感傷的な言葉は、それでも意外と胸に突き刺さらなかったの。
何故かしら?あの頃の私はとち狂っていたのかもね。
今頃貴方は遠い遠い、地球の裏側にでもいるのかしら?
もう知らないわ、思い出さないの、貴方の顔も連絡先も。
何故かしら?捨てなければ良かったのにね。
*なつのきおく*