★ Diamond Honey ★

□Diamond Honey4
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獄寺隼人という人間は口も悪く態度も悪いが

根はとても真面目な人間だった。

また、年上の人間は全て敵扱いだが年下にいたっては一部を除き比較的温厚に接している。

そんな彼は山本の妹さくらに会い病名を聞くや否や図書館の本を読みあさり

ネットで様々な検索をかけ、

挙句の果てにDr.シャマルにまで病気について尋ねていた。

そうやって彼女の病気について様々な知識を得たものの

彼女に当て嵌まるのは眉をしかめるものばかりで

あまりこれといった良い情報は見つからなかった。





「えっ十代目補習なんですか!」

「そ、そんな大きい声で言わないでよ獄寺くん」

「あっすみません!」

「ちなみに俺もなんだな」

「てめーは毎回だろーが野球バカ」

「いや…俺も毎回なんだけどね…ははっ」

放課後になって、さぁ教室を出よう!と獄寺がツナに声をかけたところ思わぬ答えが返ってきた。

なにやらテストの点数が悪かったらしい。

毎度のことながら二人は補習組となっていた。

今日は三人でさくらの見舞に行く約束をしていたというのに。

「すみません十代目、力になれなくて」

「いや、俺の実力不足だし…今日は早くさくらちゃんのところへ行こうと思ったのにな」

「俺も…獄寺お前さ、先に行ってやってくんねーかな?」

「てめーに言われなくても行くつもりだっつーの!」

「えっそうだったの?」

「いやっその…十代目」

「ありがとな獄寺」

「だからてめーに礼を言われる筋合いはねぇ」

「さくらちゃん待ってると思うから獄寺くんが先に行っててくれると喜ぶと思うな」

「そ、そうッスか?十代目がそう言うなら…」

夕べツナから電話で見舞いの話を貰った時、

すでに獄寺はこっそりと準備を始めていたのだった。

どのみち一旦家に帰ってから行くつもりだったので一人で行くことになんら変わりはない。

「じゃ十代目、先に行って待ってますんで」

「うん、俺たちもあとから行くからさくらちゃんによろしくね」

「了解っす」
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