★ Diamond Honey ★

□Diamond Honey10
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コンコン

そろそろ寝ようかと思った時、控えめなノックがした。

時計を見ればもう23時をずいぶん過ぎている。

「はーい、どうぞ」

返事をして開かれた扉を見るとそこには枕を抱えたパジャマ姿のさくらちゃんがいた。

もうとっくに寝ていると思ってたのにどうしたんだろう。

立ち上がって入口に立ったままいるさくらちゃんの側まで駆け寄った。

「さくらちゃんどうしたの?」

「…ツナくん、あの…」

「うん」

「あのね、一緒に寝てもいい?」

「ええっ」

一緒にって…もしかして一緒の布団にってこと?

なんで?どうして?

さくらちゃんの顔を見ればなんだかちょっと悲しそうに俯いている。

あ、もしかして…

「寂しくなっちゃった?」

そっと聞けば小さく頷く。

そうだよね、初めてのお泊りで緊張するだろうし

家族と離れてるんだもん心細くて寂しくなっちゃうよね。

山本が帰る時もちょっと不安そうだったっけ。

「いいよ、一緒に寝よう?」

「ほんと?」

「うん、どうぞ」

そう言って部屋に促せばさくらちゃんは嬉しそうに笑った。

持ってきていた枕をキュッと抱きしめてベッドの脇に立つ。

「リボーンくんはハンモックで寝てるんだね」

「え?ああ、そうそう」

天井につながれたハンモックの上でリボーンは寝ていた。

鼻ちょうちんを浮かべてスピースピーと寝息を立てている。

ぐっすり眠っているみたいだ。

先にベッドに上がって自分の枕を寄せ、さくらちゃんの枕を隣に並べる。

掛け布団をめくってさぁどうぞ…って

う…なんでか緊張してきたかも。

やっぱムリー!!!

「おじゃまします」

「!」

躊躇いなく同じベッドに上がってくるさくらちゃん。

ドキドキと鼓動が速くなっていく。

俺は頭が混乱したまま電気を消して横になった。

じんわりと肌に体温が伝わってくる。

女の子とこんなに近くで寝るなんて…初めてかも。

落ちつけ、落ちつけ。

さくらちゃんは山本の妹で

俺にとっても妹みたいな友達で

全然緊張とかする必要ないし、自然に…自然にしなきゃ。
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