★ Diamond Honey ★

□Diamond Honey12
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「ツナくんとお出かけ嬉しいな」

「俺もさくらちゃんとお出かけ嬉しいよ」

夏休みももう終わりに近づいた頃、私はツナくんと二人で街に来ていた。

お買いものをしながらいろんなお店を見て回って行く。

一人じゃ立ち寄らなかったお店とかもあってすごく楽しい。

お兄ちゃんは部活で最初は隼人くんも一緒だったんだけどツナくんの家を出る時に

たまたまビアンキさんが通りかかって

“あら、出かけるの?気をつけて行って来るのよ”

“はぁい”

短い挨拶をしてビアンキさんが去ったとたんに

ドサッ

“えっ隼人くん?”

“獄寺くん大丈夫!”

なぜか突然倒れてしまった隼人くん。

なんだか具合が悪そうなのでそのままツナくんのお家で休むことになってしまった。

大丈夫かな?

少しでも具合良くなっているといいけど…。

「獄寺くん、もう良くなったかな」

「うん」

まるで私の心を読んだみたいなタイミングでツナくんが呟く。

三人で来れたら良かったのにね

ちょうどその時ケーキ屋さんの前を通りかかった。

「帰りにお見舞いにケーキでも買って行こうか」

「そうだね!きっと隼人くん喜ぶよ」

「あ、見てさくらちゃん。お菓子の家が作ってある」

ツナくんがショーウィンドウを見ながら指さした。

そんなに大きくはないけれどたくさんのお菓子を組み合わせて可愛いお家が作られていた。

まるでお伽話に出てくるような姿に目を奪われる。

「わぁ…素敵」

「可愛いね」

「あっツナくん、玄関はチョコレートだよ」

「ホントだ。屋根はビスケットなんだね」

私たちはガラスの前で指差しながらどこがどんなお菓子だとか言いあって会話を弾ませていた。

そんな時、

「はれ?ツナさんです」

背後から女の子たちの声が聞こえた。

チラリと声がした方を振り返る。

ツナくんは気付かないのかまだショーウィンドウを眺めたまま。

「あ、本当だ。ハルちゃんよく気付いたね」

「ツナさーん!」

女の子たちは楽しげに近寄って来た。

どこかで見たような二人に私はちょっと首をかしげてみる。

反対にツナくんは驚いたような声を上げた。

「ハル!京子ちゃん!」

ツナくんの知り合いだったんだ。

クラスメイトとかなのかな・・・。

「ツナさん!こんにちはですぅ」

「偶然だね。あれ?その子ツナくんのお友達?」

自分の事を差され思わずツナくんの腕に隠れるようにしがみつく。

だって、どうしたら良いかわからない。

女の子の知り合いっていないし…ビアンキさんとは違う感じだし

ツナくんは戸惑う私にすごく優しい目を向けて二人に紹介してくれた。

ポンと肩に添えられた手がなんだか安心する。
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