★ Diamond Honey ★
□Diamond Honey14
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『さくらちゃん…これ』
『え?』
別れ際に差し出した半透明の包み、ピンクのリボンが巾着のように可愛らしく口を縛っている。
さくらちゃんは戸惑いながら透き通る袋の中身を見ていた。
『イタリアでさくらちゃんの寂しさが少しでもまぎれる様にって思って』
『ウサギのぬいぐるみ?』
それは布で出来た両手で抱えられるくらいのサイズのぬいぐるみ。
さくらちゃんがイタリアに行くと決まってから何か贈りたいって思って探したプレゼントだった。
『あ、気に入らなかったらごめんね?』
『ううん、ウサギさん大好きだから嬉しい!ありがとうツナくん』
柔らかい笑顔にキュッと胸が締め付けられた。
しばらく会えないということがこんなにも寂しいだなんて。
山本もさくらちゃんも笑ってる。
獄寺くんやビアンキだって切ない気持ちを抑えているに違いない。
だから俺も一生懸命笑って言ったんだ。
『またね、さくらちゃん』
頑張れなんてきっと言われ過ぎてる。
それにさくらちゃんはいつも頑張っている。
何も出来ないけど
早く元気になれるように
ずっと祈ってるよ。
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