パラレルNovel
□レボリューション☆パニック
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【第一話】
「ヒトミ!早朝ランニングなら兄ちゃんも一緒に」
「もぉ…一人で大丈夫だってば」
朝もまだ早く6時にも満たない頃。
ダイエットの為5階から階段を使って一階に向かうヒトミの後を鷹士が追い掛けていた。
トントンと小走りで降りていく途中、階下から聞き慣れた声が耳に入る。
ヴォンヴォンッ
『シュタイン?どこ行くんだ?』
雅紀と愛犬のシュタインの声だ。
「あ、華原くんも今から散歩かな?なら交ぜてもらおっと」
さらに早足で階段を降り、最後の踊り場に出ると1階で尻尾を振るシュタインが見えた。
その側に雅紀の姿もある。
「おはよう華原くん、シュタイン」
「おはよ。なんだシュタインは何を待ってるのかと思ったら桜川だったのか」
雅紀は屈み込んでよくやったとばかりにシュタインの頭を撫でた。
「ヒトミ〜兄ちゃんも行くぞ〜!」
「わっ!お兄ちゃんまだついて来てたの…って、あっ!」
頭上から呼ぶ声に振り向いた拍子にヒトミは階段を踏み外した。
「えっ」
「わっ」
そのままシュタインと雅紀の上に降下する。
ドサッ
受け止めようと雅紀は手を伸ばしたが間に合わずそのまま二人体当たりして床に転がった。
「ヒトミ!雅紀も大丈夫か!」
慌てて鷹士が降りてきて二人に駆け寄る。
衝撃で倒れたままの二人の姿に鷹士の顔がみるみる青くなっていった。
「ちょ、ちょっと待ってろ!先生呼んでくるからな」
1階に住む保健医、若月龍太郎を呼びに鷹士が立ち去るとシュタインが倒れた二人を守るようにして佇んでいた。
事情を聞いて寝起きのまま龍太郎が駆けつける。
「おい、大丈夫か」
二人をとりあえず診てまわった所、たいした外傷はない事がわかった。
ケガらしいケガといえば二人の頭に出来たタンコブくらいなものだ。
「ヒトミ、ヒトミ!」
鷹士がヒトミを抱え上げ、必死に呼びかける。
小さく呻いてヒトミが目を開いた。
「あれ、鷹士さん?」
「ヒトミ!大丈夫か?痛いところとかないか?」
「え、鷹士さんなんで?」
ヒトミは鷹士に抱きかかえられていることに驚いていた。
「どうしたんだヒトミ、兄ちゃんを名前で呼ぶなんてよそよそしいけど・・・」
「…んっ」
「お、華原気付いたか」
鷹士の叫び声に雅紀も意識を取り戻し龍太郎が声をかける。
「先生?」
「とりあえず一安心だな」
二人を見て龍太郎が安堵の息を漏らした。
ヒトミと雅紀がそれぞれ起き上がる。
「華原くんは・・・?」
「桜川?」
「「・・・っ・・・」」
ヒトミと雅紀の目が合い二人とも息を呑んだ。