パラレルNovel

□レボリューション☆パニック
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「どうした?」

鷹士がキョトンと様子を伺う。

「なんでオレが・・・」

「わ・・・わたしがいる?」

お互いに指を差し合いヒトミと雅紀が詰め寄る。

「もしかしなくても桜川・・・か?」

ヒトミが雅紀に向かって言った。

「う、うん・・・そっちは華原くん?」

雅紀がヒトミに言った。

「何言ってんだお前ら?打ち所悪かったか?」

龍太郎があっけにとられてそれぞれを指差した。

「お前が華原でこっちが桜川だろ?」

「・・・先生、そうじゃないみたい」

半泣きで雅紀が龍太郎を見る。

「だってなんでか私が桜川ヒトミだもん」

そう言う雅紀に龍太郎と鷹士が目を見開く。

「「はぁ?」」

「ちなみにオレ華原ね」

ヒトミが自分を指差して言った。

「ちょっと待て、何が起きてるんだ?ぶつかった衝撃でヒトミと雅紀の中身が入れ替わったとでも言うのか?」

鷹士が頭を抱えて状況を口にする。

「うん、そうみたいお兄ちゃん」

雅紀の返事に鷹士が息を飲んだ。

「そ、そんな漫画みたいなことあるワケないだろ!」

「お前らふざけてるのか?」

「そんなワケないじゃないですか!」

あっけらかんと言う龍太郎に雅紀が必死に訴える。

「まぁ、信じろって方が無理かもな・・・オレだってまだ状況わかんなくてなんか混乱してるし」

ヒトミが冷静に呟いた。

「ヒトミが自分の事をオレって言った・・・」

鷹士がショックを受ける。

「とにかく鷹士、桜川しか知らない事をなんか聞いてみろ」

龍太郎の言葉に鷹士がハッと我に返る。

「そ、そうだな。えっと、じゃ俺が毎月月末にヒトミに渡しているノートはなんてタイトルだ?これはヒトミしか知らないはずだ」

「?」

ヒトミが首をかしげると雅紀が口を開いた。

「…月刊俺の妹」

「ど、どうだ鷹士・・・?」

龍太郎が鷹士に確認を求める。

「あ、合ってる・・・じゃ、本当に雅紀の中に居るのがヒトミなんだな?」

「だからそうだって言ってるじゃない、お兄ちゃんてば!」

「ごめんよ〜ヒトミ」

鷹士が雅紀もといヒトミに抱きつく。

「うっわ・・・鷹士さんに抱きつかれてるオレを見るのって結構シュールだな」

ヒトミもとい雅紀がうんざりと呟いた。

「・・・とにかくいつまでもここにいてもしょうがねぇしな。鷹士、一端お前ン家に行くぞ」

「あ、あぁそうだな」

一行はエレベーターに乗り一度3階で降りてシュタインを雅紀の部屋に帰すと5階の鷹士とヒトミの部屋に向かった。


(第二話につづく)
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