パラレルNovel

□華原兄妹VS桜川兄妹(長編)
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華原兄妹VS桜川兄妹

 その1
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ガラガラガラ

カラーン・・・

「おめでとーございます!ニューオープンしたばかりのボーリング場ペアご招待券です」

「やったぁ!まーくん当たったよ!」

ミサキはくるりと振り向き歓喜の声を上げた。

しかし、側にいると思っていた人物の姿が見つからない。

「あ、あれ?まーくんどこ?」

喜んだのも束の間、急に不安が押し寄せてくる。

デパートの抽選会場はセール期間中の為大混雑とはいえいつの間にはぐれてしまったのだろうか。

ひとまず賞品を受け取るとミサキは辺りを走り回った。

携帯を鳴らしてみても気付かないのか電話に出ない。

散々探しても見つからずなんだか泣きたくなって来た時、インフォメーションのカウンターが目に入った。

ミサキが勢い良くそこに駆け込むと反対側の通路から背の高い青年も同時に飛び込んできた。

「「すみません!」」

「兄とはぐれてしまったんです!!」

「妹が見つからないんです!!」

「「えっ?」」

ミサキが叫んだ後、続けざまに青年も叫び、二人は顔を見合わせた。

係員のお姉さんは困惑したように二人を見る。

「ええともしかして・・・ご兄妹?」

二人は顔を見合わせてフルフルと首を左右に振る。

放送で呼び出してもらう間、ミサキはインフォメーションの隣にあるベンチで待つこととなった。

少し離れたベンチに先程の青年も座っている。

前方のフロアに目をやると賑わう家族ずれやカップルが通り過ぎ、一人でいることの切なさになんだか胸が締付けられた。

俯きスカートの上に乗せた手をギュッと握りしめる。

どのくらい待ったことだろう・・・足音が近づいて来たと思ったとき、よく通る声で自分の名を呼ばれた。

「ミサキ!」

「まーくん」

顔を上げたミサキは兄が目の前に来ると駆け寄って勢いよく抱きついた。

雅紀は肩で息をしながらミサキの頭を撫でる。

「まったく、何処行ってたんだよ。心配させるなって」

文句を言いながらも走って来てくれたことが嬉しい。

雅紀の側はこんなにも安心できる。
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