パラレルNovel

□華原兄妹VS桜川兄妹(長編)
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「雅紀?」

ふと隣からすっとんきょうな声が上がった。

先程の青年が腰を挙げ驚いた形相でコチラを見ている。

雅紀の名を呼んだことから兄の知り合いだろうかとミサキは思った。

「ま、雅紀!なんだその女の子は・・・まっまさか」

「鷹士さん?なんでここに?」

「・・・彼女です」

「なっなんだと!雅紀貴様っ・・・」

「ミサキ、いい加減そのネタやめろって言ってるだろ」

「やだ」

「雅紀ぃヒトミと言う超スペシャルキュートな彼女がいながらお前ってヤツは!」

「いや、だから妹ですってば」

今にも掴みかからんばかりの鷹士に雅紀はミサキの肩をつかんで引き寄せた。

「ほらそっくりでしょ?」

鷹士は言われるまま雅紀とミサキを見比べた。

確かに赤っぽい髪の毛や表情なども似てると言えば似ている。

反対にミサキはキョトンと相手を見返していた。

この青年は先程ミサキと同時にインフォメーションへ駆け込んで来た人だ。

端正な顔をしていてはっきり言ってカッコいい。

もちろんミサキにとって雅紀は別格なのでそれには及ばないが一般的にはかなり美形な部類に入ると思う。

そう言えばこの人、妹さんとはぐれちゃったんだっけ・・・。

彼がここにいる理由をミサキが思い出したときバタバタと足音が近づいて来た。

「お兄ちゃん!」

凛とした声がフロアに響く。

ヒトミだった、ミサキが驚いているとヒトミは青年の方へ向かって歩いていく。

「お兄ちゃん・・・勝手にはぐれてどっか行っちゃわないでよね」

「ヒトミ!兄ちゃん探したんだぞ」

「私も携帯鳴らしたんだけど?」

「うあ、携帯・・・」

鷹士は思い出したようにポケットから携帯を取り出すと開いた。

着信にヒトミ、ヒトミ、ヒトミと名前が並んでいる。

「忘れてたでしょ」

「すまん、兄ちゃん慌てて」

鷹士はぺこりと頭を垂れた。

なんだかこれではどっちが年上かわからない。
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