★ Diamond Honey ★

□Diamond Honey6
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テスト期間中は勉強とかはイヤだけど午前中で学校が終わるから良い。

今回は補習を受けないために獄寺くんに教わりながら勉強を頑張った。

だって夏休みに補習なんか行くくらいならさくらちゃんのお見舞いに行きたいし

その間に獄寺くんばっかりさくらちゃんと遊ぶなんて羨ましすぎるから。

山本も同じ気持ちなのか一緒になって勉強に励んだ。

もちろんリボーンにもみっちりねっちょりしごかれたけど。

うっ…あの日々は思い出したくない。

なにはともあれきっと二人とも赤点は免れたと思う。



そして今日は山本も獄寺くんも用事があると言って俺一人で病院へ来た。

もうすっかりなじみになった廊下を歩いてその部屋へと足を踏み入れる。

「こんにちは、さくらちゃん」

「ツナくん!」

「今日はプリン持ってきたんだ。一緒に食べよう」

「やったぁ!嬉しいな、ありがとう」

さくらちゃんの笑顔。

ポンッって花が咲いたみたいだ。

癒されるなぁ…この笑顔を見れるならって思うと本当頑張れちゃうよ。

「いつも学校帰りに大変なのにありがとね」

「そんなことないよ。それにもうすぐ夏休みだから今度は昼間から来れるよ」

「いいの?せっかくのお休みなのに…そんなに気を使わなくてもいいよ?」

少しだけ首をかしげて見上げる目はちょっとだけ寂しそうだった。

でもそれを隠すようにニコッと微笑む。

なんて健気な子なんだろう

ああ…そんな顔で笑わないで

思わずその頭をくしゃりと撫でてしまった。

「ツ、ツナくん?」

「俺がさくらちゃんに会いたいから来るんだよ?」

「…ありがとう」

さっきの笑顔とは違ったはにかんだ微笑み。

トクン

胸の内が小さな音をたてた。

「夏休み、お兄ちゃん部活いっぱいあるって言ってたなぁ」

プリンの蓋をピッと剥がしプラスチックのスプーンと一緒に差し出すと

小さな声でありがとうと言って受け取ってくれた。

「野球部は練習ハードみたいだしね。山本は野球部のエースだから大変なんじゃないかな」

ベッドの脇にある椅子に腰をおろして自分もプリンを食べ始める。

うん、美味しい。

ハルと京子ちゃんにおススメのお店を教えて貰って良かった。

「そうなんだ、お兄ちゃんが部活してるところ見てみたいなぁ」

「部活中の山本はカッコイイよ」

「本当?中学生になったお兄ちゃんが野球してるのってまだ見たことないんだよね」

「そっか…」

退院したらいっぱい連れて行ってあげるのに…連れて行って…

「プリンとっても美味しいね、ツナくん」

「うん」

そうだ!

このとき思いついたことを俺はすぐに行動に移した。
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