★ Diamond Honey ★

□Diamond Honey12
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「山本の妹でさくらちゃん」

「そっか、山本くんの妹さんなんだ」

「はひっ!とっても可愛い子です」

「初めまして、私はツナくんや山本くんと同じクラスの笹川京子。よろしくね」

「緑中の三浦ハルでーす!よろしくです」

正面から見た二人はやっぱり可愛くて笑顔がすごくキラキラしていた。

それにとっても優しそう。

「や、山本さくらです」

おずおずと名乗る自分の声はなんて自信がないんだろう。

無意識にギュっとツナくんのシャツを握りしめていた。

「今から京子ちゃんとケーキ食べに行くところだったんですよ。ツナさんたちも一緒にどうですか?」

「すっごく美味しくっておススメのお店なんだよ。良かったら行こう?」

「えっいいの!あっでもさくらちゃんどうする?」

「私は…ツナくんに任せる」

ツナくんは誘われてすごく嬉しそうな顔をしていた。

なのにちゃんと私に意見を聞いてくれるなんてツナくんはとっても優しい。

私がいなかったら二つ返事で行ってたのかもしれない。

その時、ふっと思い出した。

夏祭りのこと…

そうだ、この二人…ハルさんと京子さんは夏祭りの時にツナくんたちのお店に浴衣で来てた女の子たちだ。

思い出した映像になんだか胸がキュッと締め付けられる。

それを振り払うように首を振って意識をかき消す。

でもモヤモヤした気分は晴れなくて…

四人で歩く間、ツナくんたちが賑やかにお喋りを続けているのを黙って聞いていた。

ツナくん楽しそうだな。

ツナくんは優しくてカッコイイからモテるよね。

私の知らないツナくんがそこに居て…なんだかちょっと不思議。

「あれ…?」

つぅーっと何かか頬を滑り落ちた。

下を見ればポタリと地面にシミが残る。

はれれ?

ポタポタ零れ落ちた雫はだんたんと数を増やしていく。

慌ててごしごしと目を擦った。

こんなところ見られたら勘違いされて心配かけちゃう。

なんで・・・どうしたんだろう私。

なんだか


寂しい…だなんて。


変だよ、そんなの。


ぐいぐいと目をこするけど次々に涙が浮かび上がってくる。

ダメだ、止まらない。

大きく息を吸い込んで涙をこらえた。

少し我慢すればなんとか落ち着いてくる。

でも、まだ涙腺は不安定に緩んだまま…
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