Tales of Colloseum
□1,I want to be a "hero" 後編
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I want to be a hero′纒メ
「オレは………」
目の前の景色がスローになっていく。
「オ……レ……は…」
大剣が自分のの体に入り込み、ゆっくりと肉を斬り裂いていくのを感じる。
「オ………レ………」
斬られた箇所から血が飛びだし地面に赤い
斑点を作っていく。
無力だった……実力が無かった……相手が強かった……ただそれだけのこと。戦いとはそういうものなんだ。
勝てば栄光をつかみ、負ければみじめになり命を落とす事ともある。同じ一つの物事なのに結果がこれ程違う。
「オレ……かっこ…悪い…な……」
心の中でそう呟いた。
目の前の風景がゆっくり動きだす…
絶対に勝つぞといき込んでいたのにこんなに
あっさりと負けるなんて……
カイルの体が徐々に地面に引っ張られ始める。
「そんなに引っ張んなくたって…自分から倒れるって…」
カイルはその引っ張る力に身をまかせる。
そしてそのままカイルは暗闇の中に引きずりこまれていった……
「そういえばオレって…どうして斬られて
るんだっけ…?……オレはなんで…戦って
いるんだ……?……オレは………さんのため…うっ、」
闇の中でカイルが頭を押さえる。
「オレ…は…何が…したいん…だ?…何を
……何をしようとしているんだ……」
うっ、さらに頭痛がひどくなる。
「オレは……何か…大切なモノを…忘れて
…いるの…か…?」
カイルは闇の中で問う。
「オレに…そんなの関係ない!!オレは…
オレはこのまま……このままで本当にいいのか?」
何が正しいのか分らない。でも、このままでは……このままじゃ…………
「うっ…!痛い!…痛い!!」
カイルの全身に痛みが走る。
「ここから逃げ出そうとしたら…何で…何でこんなに痛むんだ!!……痛み……リアラも消えてくとき……こんなに痛かったのかな………
……うっ!!」
カイルの頭にさらに激痛が走る。
「リアラ……!?リアラ……リアラ!!」
カイルの頭の中にかかっていた靄が次第に溶け始め、代わりに全身が痛みはじめる。
「ぐわあああああああ!!!!」
闇の中でカイルが叫ぶ。頭の中に膨大な量の情報が蘇っていく。リアラとの旅…エルレインとの戦い…そして……
「うわああああああ!!」