Tales of Colloseum

□1,I want to be a "hero" 後編
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カイルの目の前の闇が消えていき、白い光が差し込み始める。


「オレが……オレが…今やらないといけないことは……!」


全身に痛みがまわりだすとともに全身に力が入りはじめる。

「オレは…勝ちたい…!!」

そして、カイルのまわりの闇が晴れた。






「な…なんで…なんで倒れないんだ!!」

ルカが叫ぶ。
確実に斬ったはず…確実に倒したはず…なのに目の前の少年は立っている。
服は血だらけになって、元の色が判別できない程になっているのに………

「なんで…どうして君は………」

少年は半死人状態にもかかわらず、剣を握る手と目はまだ生きていた。

「後一押し…後一押しで倒せるのに…なんで……
なんで震えているんだよ!!」


自分のの手と足は痙攣し始めていた……
そしてそうこう考えているうちに相手はまた
一歩踏み出してきた。

「ひっ…く…来るな!!」

ルカはカイルに向かって剣を突きつける。
その手はぶるぶると震えていた。

「なんで…僕のほうが……僕のほうが有利なはずなのに…」

ルカは恐怖と不安で押しつぶされる寸前だった。


「もういいでしょ……お父さんのことは……
そんなに言うんだったら……僕が君の願いを叶えてもいい。だから……うっ」


相手がまた一歩近いてくる。
ルカには地獄の亡者が一歩一歩近づいてきて自分を地獄にひきずりこもうとしているように見えた。


「ひっ…ぼ…僕は…僕は……逃げない…逃げないってそう決めたじゃないか……
勝ちが見えているのに何をおびえる必要があるんだ……
そうだ落ち着け逃げる必要なんかない……僕が倒せばいいんだ……
そうだ……たとえ相手がどうなろうとも……」


ルカのまわりに赤黒い闘気が舞い始める。

「今の一撃をくらって立っていたのは褒めてあげるよ。でも、これで終わりだ!!」


ルカが空中に向かって後転し、まわりに鳳凰の闘気が出来はじめる。

「どっちにしても君はここで終わるんだよ!!立ってきたところで所詮無意味だったんだよ!!」


そして、赤黒い鳳凰が空に現れた。


「これで終わりだ…鳳凰天駆!!」

一羽の鳳凰が目の前に立っている敵を焼き尽すため、天空から一気に地上に向かって急降下していった…………
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