かちょうふーげつ
□標的11
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〔2A沢田、応接室に来い〕
不機嫌丸出しな風紀委員長に呼ばれて応接室に来た。
スピーカー越しに想像してたよりも、すごく…機嫌が悪いです……
「中庭」
『…まぁね、教室にまで爆発音が聞こえて来てたからね、恭ちゃんの言いたい事はわかるよ。
わかるけどもね!会話!無理に暴君演じなくていいから!行ってきます!!』
ったく、誰だか存じ上げませんけどね、カッターと鈍器以外の危険物持ち込むなっての。
今回は爆発物だけど…まさかダイナマイトの類ではないでしょ?
花火……でもない、よね……音が違ったから。
難しいけど、理科室から薬品と道具持ち出して実験してた、って考えるのが妥当かな………
『…あれ、ツナ?
なに、また授業サボってたの?
たまには真面目に授業受けないと先生泣いちゃうよ、って事で普段なら風紀委員に連絡して引き取って貰うんだけど情報提供してくれれば見逃してあげるよ。
さっきの爆発について何か知らない?
あと銀髪君、その格好次の風紀検査の時に引っかかるだろうからやめたほうがいーよ。』
ふぅ。
あたしが腰に手を当てて一息つくと、銀髪君が茶色い筒状の物を両手に…10個くらい?持って、ツナがその銀髪君を必死に鎮めようとしはじめた。
茶色いボール紙を丸めたみたいな、工作の得意な小学生でも作れそうな筒状の物だけど、なんか本物臭いんだよねー
『犯人はお前かー!』
「あぁ!?やんのかくそアマ!」
「ちょ、ちょっと獄寺くん落ち着いて!
姉ちゃんも刺激しないでよ!!」
『刺激してなんかいないよ?
ただ思った事を素直に言っただ、け。
それで、君、リボーン…っていうかマフィア関係者なんでしょ?
修理代さえ出せば見逃してやるぜーい』
「お望みの物だぞ。」
『はーい、確かに。
それじゃ、ちゃんとお金貰ったのでしっかり隠しておくね。』
「それでいいのー!?」
『…世の中、金なんだよツナ……』
「14年しか生きてない人間がなに達観してんだよー!?」
いやぁ、今日もツナのツッコミは冴えてるよ。お姉ちゃん感激っ…!
お金も貰ったわけだし、とっとと恭ちゃんに報告するかー、とツナ達に別れを告げようとしたらさっきから静かだった銀髪君がガバリと、額を地面につける勢いで頭を下げた。
Oh…これがジャパニーズ ド ゲ ザ ですカ〜?
「とんだ御無礼をお許しくださいお姉様!!
俺は10代目の右腕、獄寺隼人と申します!!以後よろしくお願いたします!!」
『ワォ…忠犬ゲットだぜ!しちゃったのか弟よ……
…まぁよろしくね獄寺君、今後校内で爆発物を使うのはやめてね』
「…善処します」
『……ちなみにそれは…』
「………」
「やっぱりイイエなのー!!?」
『…ほどほどにしてくださいネ』
爆発ボーイ
「…で?」
『うん、だから、まじめな不良君達が中庭で実験をしてたんだけど、薬品の量を間違えて爆発しちゃったんだって。
修理代もちゃんと奪って来たからさ、許してあげようぜ』
「ちなみに何の実験をしてたか聞いてきた?」
『水素爆発の実験。
本人達もびっくりして腰抜かしてたから何があったのかは聞けなかったんだよ』