エヴァ文A

□目を覚ましてくれ!
2ページ/2ページ

「…しかし困ったな…シンジが意識を取り戻さないと俺はずっとこのままだ」
初号機に限らずエヴァはエントリープラグにいるパイロットの操作によって自身の手足を動かす。
そのパイロットが気絶していたら、エヴァ自身の意識はあっても動く事ができないのだ。

「自分の意思だけでは動けないというのも不憫なものだね」
「我らエヴァは元々人間に造られた存在だからそれは仕方ない事だ。…まぁ、シンジもすぐ目を覚ますかな……カヲル、俺達の事はいいから先に本部に戻ってくれ」
「君達を置いて行くわけにはいかないよ。いつ彼が目を覚ますか分からないし」
「いや、いいって言って…」
「四号機、初号機を…」
「四号機?お前いたのか?」
「いたのか、とは失礼だな。さっきからいたよ」
実はカヲルのいる場所の反対側でずっと横たわる初号機を見下ろしていた四号機。
それまで一言も喋らず微動だにしなかったためか、初号機はその存在に気付かなかった。

四号機はカヲルによる、外部からの操縦により動き出しカヲルのいるほうへ移動するとお姫様抱っこ…横抱きという形で初号機を持ち上げた。

「なっ…何をする!?下ろせ!!」
「それは俺に言わないでカヲルに言ってくれないかな?」
「カヲル、下ろしてくれ!」
「どうせ君は動けないだろう?大丈夫、絶対に落とさないよ」
「分かった…じゃあ、頼むからせめて持ち方だけ変えてくれ!なんか嫌だから!」
「…少し黙っててくれないかな?あまりうるさくするとこのまま落とすよ?」
「……も、もういい……(頼むから早く目を覚ましてくれ、シンジ…)」





エヴァスロ話初登場です。

あの流れで横抱きは必要ないと思うのは私だけですか?
なので勝手に横抱きの理由を作ってみた結果、初号機の災難話になりました(笑)

前にこの演出を知る前に初号機を横抱きする四号機を書きましたが、本当にあった…

10.06.21 完成

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ