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□正義の味方と勇者逹①
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「2人共っ！！カービィを見なかった！？」
「「トゥー…ン？」」
台所で皿洗いをしているトキとトワのところにすごい形相をしたトゥーンがやってきた。
相当怒っているのか、いつものようにトキやトワに抱きついてはこない。
とりあえずトワはなぜ怒っているのか聞いてみた。
「何で怒ってんだ？っていうかカービィがどうかしたのか…？」
「カービィが勝手にオイラのドーナツ食べちゃったんだよ！今日食べようと思って楽しみにとっておいたのに…許せないぃぃっ！」
「ドーナツって…ああ、冷蔵庫に入ってたアレか」
「そう！」
「まぁ…カービィだからなぁ…」
苦笑するトワ。
すると黙っていたトキが口を開いた。
「……じゃあさ、皿を洗い終わったらお前にドーナツをつく…」
作ってやるから、と言おうとしたその時…！
「その必要はないぞっっ！！」
「「「えっ？」」」
2人のものではない声がトキの発言を遮った。
「……あーっ！！」
何かを発見したトゥーンが驚きながらそれを指差す。
「「何かあったのか？…っ！？」」
トキとトワもトゥーンの元へ駆け寄りその指差す先を見ると、そこには頭に大きなドーナツを被り、某人物と同じ服装をした男が腕を組み仁王立ちしていた。
「え…何してるんだお前？」
「あ…貴方はいったい！？」
「えっ！？いったいって、分からないのかトワ！？どう見たって…」
「俺は正義の味方ドーナツマンだ！さぁ、俺の頭を食べるんだ」
「ドーナツマン！？(えええっ！？何このテンション…？)」
ドーナツマンと名乗る男は自らの顔(ドーナツ)をちぎって、トゥーンに向けて差し出した。
その挙動にびっくりするトキとトワの横でトゥーンは差し出されたドーナツを受け取り、まじまじと見つめている。
…どうやら食べようかやめようか迷っているようだ。
「(受け取ったのはいいけど…食べられるのかなこれ？)」
「…どうした？遠慮する事はないぞ！さぁ、一思いにいけ！」
「う、うん…！」
トキとトワが注目する中、トゥーンはおそるおそる受け取ったドーナツにかぶりついた。
果たしてそのお味は…？