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□快晴の昼と雪降る夜
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「なぁアイク。明日何の日か知ってるか?」
「む?明日何かあったか?」
…やっぱり思ったとおりの反応が返ってきた。
アイクは明日が何の日か思い出そうとしているのか、腕を組み考え込んだまま動かなくなってしまった。
「そこまで考え込むなよ…明日はクリスマスだろ」
「…ああ。そうだったな」
「だから明日のケーキの材料と子供達にやるプレゼント買いに行かなきゃいけないんだ。アイクも一緒に来てくれねぇか?」
「全然構わないぞ」
「よっしゃ!じゃあトキとロイにも声掛けてくるからちょっと待っ…」
「いや。お前と2人で行きたい」
「え?」
「でなきゃ俺は行かん」
「…マジか…」
今日は子供達のプレゼントも買うから荷物が多くなる。
ぶっちゃけ、アイクに声掛けたのはその荷物持ちを手伝ってもらうためだった。

プレゼントを買うのは今日じゃないと間に合わないし、俺達3人で買い物の荷物とプレゼントを持って帰るのはちょっときついものがあるし…。
…仕方ない、今日は2人と別行動だな。
「…分かったよ。じゃあケーキの材料…っていうか買い物はトキとロイに任せて俺達はプレゼントだけ買いに行こうぜ。今2人に伝えてくるからお前はここで待ってろな」
「分かった」



というわけで、俺はアイクと2人で街にやってきた。

今日の空模様は雲ひとつない快晴で、降り注ぐ日差しがちょっぴり暖かい。
…が、今の季節は冬。
日差しが差している分比較的いつもより暖かいとはいえ、コートを羽織っててもかなり寒いわけで。
手なんて冷たくなりすぎてもう感覚なくなってる。

「…天気が良くて良かったな」
「ああ!けど寒いぃ…!!」
「冬だから当たり前だろう」
「お前は平気なのかよ?」
「ああ」
「あっそう…」
…と、俺はある事に気付いた。
「…何かさ、周りカップルっぽいの多くね?」
周囲を見ると仲良さそうに手を繋いでいたり、お互い寄り添って歩いている男女の姿がいつもより多い気がする。クリスマスイブだからだろうか?
なんか俺達だけ浮いてるような気がしてつい苦笑が漏れてしまう。

「確かに多いな。…じゃあ俺達も手ぐらい繋ぐか」
「へ?」
するとアイクは俺の左手を握ってきた。
びっくりした俺はその手を振り払おうとするがやはりビクともしない。
「おまっ…放せよ!」
「こんなに冷たくなってるとは…俺が暖めてやるから暴れるな」
「…分かった。好きにしろよ」
アイクの大きな暖かい手のおかげで冷えきって感覚がなくなっていた左手に感覚を取り戻し、俺はぎゅっとアイクの右手を握り返した。
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