エヴァ文A

□初めてを、君に
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「…え?カヲル君が?」
「うん」
「へぇ、珍しいね」
「珍しいっていうか初めじゃないかなぁ」
「…好きな人でも出来たのかな?」
「まさかぁ!君一筋の兄さんに限ってそれはないよ!」
「そ、そう…」

「…ねぇ、なんか2人で盛り上がってるようだけど何の話してんの?」
「あっシンジ君!今兄さんの話してたんだ」
「…カヲルさんの?」
「昨日学校帰りにコンビニ付き合わされたんだけど、兄さんクッキー買ってたんだよ」
「それくらい別におかしくないだろ…」
「何で買ったの?って聞いたらバレンタインデーに貰ったチョコのお返しなんだって」
「……」
「渚君によると、カヲル君はチョコのお返し一度もした事ないんだって。まぁ確かに返してたらキリがないだろうけど…」
「……」
「だからびっくりしちゃってさ。誰にやるの?って聞いても教えてくれるわけないだろうし…まさか僕の知らないうちにシン君から貰っていたかと思ってシン君に聞いてみたんだけど、やってないって言うし…」
「いや、僕は男だからバレンタインデーはあげる立場じゃないってば。もし仮に…僕が女だったら渚君にもあげてると思う」
「ほんと?…だから好きさシン君!」
「渚君ストップ!ここ教室だよ?落ち着いてね」
教室にも関わらず抱き付こうとする渚の両肩をシンは手で押さえ、背中に腕を回せないよう一定の距離を保つ。

「……」
「シンジ、どうかした?」
「…えっ!?あっ、何?」
渚を制止しながら首を傾げているシンに気付いたのは声を掛けられた後だった。
「何か様子が変だよ。さっきから目もうつろだし」
「変?」
「そう言えば、今日のシンジ君なんだか大人しいかも」
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