エヴァ文A

□命令主
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「ダミーを、レイを…受け入れないのか…」
レイ、ダミープラグ共に拒絶し、まったく動く気配を見せない初号機。
「冬月…少し頼む」
席を立ったゲンドウは発令所を後にし、初号機が格納されているケイジへ向かった。



「何故だ!?何故レイを…ダミープラグを拒絶するのだ!?」
「……何故だか解らないか?」
「何?」
「先の使徒との戦い…俺はダミーとやらに騙され、シンジの命令ではなくお前達の命令に従い行動してしまった」
「それはシンジがやろうとしなかったから、代わりにこちらから命令したまでだ」
「あんなに戦う事を拒否していたシンジがいきなり攻撃命令を出すからおかしいとは思ったが……死ぬのが恐くなったシンジがやむを得ず判断したと思った」

ちなみに参号機を攻撃していた時の初号機にはエントリープラグ内で叫んでいるシンジの声はまったく届いていなかった。
発令所により、シンジとのシンクロを全面カットされていたせいである。

「だが、実際は違った。シンジの意思ではないと悟ったのは参号機のエントリープラグを握りつぶした時だった。あのシンジが…友人が乗っているのに、こんな惨いやり方をするはずがないからな」
「……」
「俺も…シンジではないと気付くのが遅すぎた」
初号機はまるで自分を嘲笑うかのように言った。
表情が変わる事はないので実際は無表情のままなのだが…。

「俺が許せないのは、お前達が俺を騙した事ではなくシンジを傷付けた事だ」
「しかしそうでもしないとお前は破壊され、シンジも死んでいたのだぞ!」
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