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□予感は運悪く的中
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突然の告白に混乱する俺をよそにアイクは続ける。
「冗談でこんな事言うわけないだろ。俺は、あんたと一緒にいるとドキドキする。それだけじゃない、無意識のうちにあんたの事を考えている時も多い」
「…ええっと…」
「だから、あんたが俺をどう思っているか聞かせてほしい」
「ま…待て待て!ちょっといきなりすぎないか!?」
…正直、俺はアイクを恋愛対象として見た事はないし今もそう見る事はできない。
それに…俺には他に好きな奴がいる。
まぁあいつは気づいていないだろうけど…。

混乱しながらもアイクを傷付けない最善の断り方を必死に考えていると、先にアイクが言葉を発した。
「…まさか、俺の事が嫌いか?」
「いや、そんな事ないけど……その…ごめん!俺、アイクの気持ちには応えられない!」
「む…他に好きな奴がいるのか?」
「え?あっ、いや…それは…別に、いないけど…」
ここで正直にいるって言っておけば良かったものを…なぜか出てしまった咄嗟な嘘。
そして、すぐにその事を後悔するハメになる。

次の瞬間、俺の体はアイクの腕の中に収まっていた。
一瞬呆気にとられたが、すぐ我に返りその腕から抜け出そうと必死にもがく。
だが、力ではアイクに敵うはずもなく抵抗を諦めざるを得なかった。
「アイク…!」
「なら…可能性はあるな」
「は?」
「好きな奴がいないのなら、振り向かせてみせる」
「!?」
そう言って更にその腕に力を込めてきた。
それにより、俺はだんだん苦しくなってくる。
「ちょっ…苦しいってアイクぅ!こんなとこ誰かに見られたら…!」

…なんかこういう時に限って廊下に誰かいるような気がしてならない。
なぜだか分からないけど、なんとなくそんな予感がした。

「……ハッ!!」
アイクの腕に抱かれたまま首を動かし廊下のほうへ視線を向けると…
廊下の窓越しにこっちを見ているマルス、ロイ、ピット、メタナイトさんの存在に気づいた。
このメンバーの中にあいつの姿が…
「あ…あああぁぁぁぁ…!!」
「!?」
突然叫び出した俺に驚いたのか、アイクは体をビクッとさせ回していた腕を放した。
アイクの腕から解放されると一気に全身の力が抜け、ぺたんとその場に座り込んだ。
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