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□正義の味方と勇者逹A
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「…で、俺達に何か用かドーナツマン?」
「トキ君っ!!」
ビシイィィッッ!!という効果音が聞こえそうなくらいの勢いでドーナツマンがいきなり俺を指差してきた。
…って、『君』付け!?

「な、何だよ…!?」
「君にこれを…」
そう言いながら手に持っていた白い箱(ケーキ1ホールが入るくらいの大きさ)を差し出してきたので、俺はおそるおそる両手でそれを受け取った。
「俺に…くれるのか?」
「そう、プレゼントだ」
「…ありがとう…(そういや今日あいつからはもらってなかったっけ)」
「えっ?何で急にトキにプレゼント…っていうかトキにだけ!?」
「あー…悪い、トワ君には用意してなかったんだ。まさか一緒にいるとは思わなかったからな」
「そうっスか…」
「(そこまでしょんぼりしなくても…)」
「よしっ!トワ君には俺の頭をやろう」
「マジでっ!?喜んでいただきます!」
「せっかくだからトキ君も…」
「俺はいらないよ」
「…そうか…」
「お前酷くね!?ドーナツマンは厚意で言ってくれてんのに!」
「いいんだトワ君。あれを受け取ってくれるだけで…」
「っ!!なんて心が広いんだ!俺、貴方の事尊敬するっス!」
「そうか、ありがとう!」

…って、こんなんじゃいつまで経っても部屋に戻れないな。
なんとか話を切らなければ…

「……あっそうだ!俺トキの部屋行く途中だったんだ」
「ん?そうだったのか」
「(おっ!ナイスタイミングだトワ!)」
「というわけで、俺達行くっスね。また近いうちに会いましょう!」
「ああ!また会おう!」



こうしてドーナツマンと別れ、トワを連れて部屋に戻ってきた。
別れ際に子供のような笑顔を浮かべながらドーナツマンに大きく手を振るトワはちょっとかわいかった。
…まぁ、かわいかったって言っても実際今の俺よりもトワのほうがひとつ歳上なんだけどな。
いや、本来であれば8歳も違かったりするんだけど…それは置いておこう。

部屋に着いて早々トワは机の上に置いていた今日もらった物の中からピーチ姫からもらったクッキーを見つけ出し、それをひょいと持ち上げた。
「なぁ、これだよな?ピーチ姫からもらったやつって」
「うん。持ってっていいよ」
「ああ、ありがと!…しっかしほんといっぱいもらってんなぁお前」
「バレンタインデーに皆に配りまくったからなぁ…」
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