短編

□Love for you
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side:A
二月。如月。
沈丁花の香りがする季節。
寒さが一塩な季節。
そして恋の香りがする季節。
ひどく冷たい風が僕の頬を叩く。
しっかりしろと言うみたいに。
そうだ。しっかりしなきゃ。
雅や美香にからかわれたら、堪らない。
今年は恋人になって初めてのバレンタインデー。
諸事情で神を預かっているから必然的に2人っきりの甘い時間も全然ないし、やってることもまるで主婦みたいってよく言われるけど、それでもこういうイベント事はやっぱり大切にしたいって思う。
去年まではあげてなかったし、今年は手作りでやってみようかな。
どんなのがいいだろう。考えるだけでワクワクする。
きっと今、僕の頬が赤いのは寒さのせいだけじゃない。
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