幸せのカタチ

□第三話
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 ガクガクとしてきて力が抜けたのを確認して手を離すとワカメはその場に崩れ落ちた。
 
 真っ赤な顔で瞳からは涙がこぼれている。

 
 「誤れよ」
 
 「・・・・すみませ・・でした・・・っ・・・」
 
 「たくっ・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!」

 
 やっちまった。
 
 幸いココには煮卵もといジャッカルしかいない、とは言え・・・また・・・やっちゃった。
 
 アカン、アカンで。
 
 生徒達が下校してくる声がする。
 
 これはあれだ、最悪な事態だ。

 
 「おっおい、赤也大丈夫か!?」

 「・・・・・・」
 
 「おい!!」

 
 放心状態です。
 
 ヤバイ、犯罪者だ。

 
 「あっあの、ジャッカルさん、いえ、ジャッカル様!!」
 
 「なに!?」
 
 「この事は他言無用にお願いします!!!」
 
 「何言って」
 
 「バラしたら同じ目にあわせる!」
 
 「・・・わっわかった」
 
 「そっそれじゃあ、失礼しました!!!!ワカメ、本当にすまん!!」

 
 それだけ言って逃げた。
 
 もう平凡な人生なんて送れないかもしれない。
 
 最悪だ。
 
 青少年になんてことを・・・・・。

  
 昨日同様に自宅までダッシュしてベットにダイブ。
 
 忘れたい。
 
 こんなことしてしまったら、もう嫌われてしまうだろう。
 
 最悪だ。

 
 「幸村だけには嫌われたくなかったのに・・・・」

 
 呟いた言葉がただ、室内に響いた。
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