恋 〜消えない罪〜
□プロローグ
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大人なのに恋をしました。
大人なのに二次元の彼に夢中になりました。
今いる世界を捨ててもいいと、自分の持っている全てを差し出してもいいと思いました。
こんなに恋焦がれてしまうなんて自分でも思わなかった。
だから。
『優美、彼のいる世界に連れて行ってあげる』
夢の中で神様と名乗る青年に言われた言葉に私は何の迷いもなく二つ返事で返した。
その時はどうせ夢だからとか、そんな暢気な事を考えていたと思う。
だから気が付かなかった。
神様が不適に笑っていた事も。
激しい閃光に目を閉じるとゆっくりと意識が薄れていく。
例え夢でもいい、彼に会えるなら。
私はもうそれだけでいいのだからと。
『願いは叶えてあげるよ、そのかわり・・・・・』
その囁きを最後まで聞くことなく意識を手放した。