恋 〜消えない罪〜

□第七話
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 入学式から早くも一週間が過ぎた。

 初日に体調を崩して保健室行きなんて醜態をを晒したわりに苛められる事もなく、何とか普通に学生生活が遅れてホッとする。


 入学式翌日に行われた席替えは奇跡的にも最初にキープした窓際一番後ろと言うベスト席そのままだった。



 しかも、隣は幸村だ!



 『体調はもう平気なの?』

 『うん、ごめんね心配かけて』

 『いいよ、けど今度からは俺に言ってね?すぐ近くにいたのに頼られないのは少し辛い』

 『そんな風に言ってもらえて嬉しい、ありがとう』



 そんな心温まる会話があったのはこれまた入学式翌日に登校した朝の事だった。


 本当に幸村は優しい!!誰だ魔王なんて言ったヤツは!!


 隣の席になったって言うのもあるけど、今のところクラスで一番仲がいいのは幸村だ。


 携帯の番号とアドレスだって交換しちゃったさ!!




 「ねえ、優仁は部活どうするの?」

 「へっ?」


 不意に声をかけられて慌てて自分の世界から現実へと戻る。



 声をかけてきたのは隣の席の幸村だった。


 双子の兄がいる事が知られてから、幸村は私を下の名前で呼ぶようになり、自然と私も恐れ多くも『精市』と呼んでいる。



 「うーん・・・一応、希望はあるんだけど」

 「どこ?」

 「テニス部」

 「えっ!?俺もだよ!嬉しいな!」

 「うーん」

 「どうしたの?何か問題があるの?」

 「うん・・・・精市には話したと思うけどさ、僕はホラ・・・ココがね」

 「あっ」


 自分の胸を指してそう言えば、幸村は表情を悲しそうに返る。

 ああ、そんな顔がさせたかった訳じゃないんだけど。


 「ごめん」

 「えっ!?何で精市が誤るのさ?・・・・これはさ、仕方ない事だからさ、気にしないで」



 そう、これは仕方のないことなんだ。

 誰も悪くない、悪いのはむしろ・・・・・。



 「まさ・・・兄と約束してるからさ、一応はテニス部に入部希望出してみる」

 「大丈夫だよ!」

 「だと・・・いいんだけどね」


 正直、入部出来るとは思っていない。

 常勝を誇るテニスの名門校には、お荷物でしかないから。
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