幸せのカタチU

□第三十一話
1ページ/8ページ




 流れるような動作、コーヒーを飲んでいるそんな姿がこんなにピッタリとハマッている中学生が本当に存在してもいいのだろうかと考える。


 「で?さっさと話せよ」


 そして。

 こんなに態度がデカイ中学生もどうかと思う。
 


 初日からドッと疲れて戻った自宅マンション。

 夕飯すら作るのが面倒に感じて、今日は食べずにさっさと寝るか出前でも取るか考えている時にあの着信音。

 どうしてこう、知られたくない事とかがある時に限って狙ったように電話やメールをしてくるのだろうかこの男は。



 『話たいことがあるからな、今そっちに向かっている』

 「はぁ!?何でそっちを出る前に連絡入れないのよ!私に用事があったらどうするつもりだったのよ?」

 『どうもしない、用事が終わるまで待つ』

 「なんじゃそりゃ!?相変わらずマイペース過ぎる!」

 『フッ』

 「いや、笑う所じゃないし!とにかく、今日は駄目だって」

 『何でだ?』


 何故と聞かれてもどう答えたらいいか困る。

 実行委員になったからは、理由を聞かれて結局イジメ云々まで説明する事になると面倒だし、だからと言って幸村の事を話すとこっちの身の危険が・・・。


 『・・・・・・要するに話にくい事がお前にあるんだな!よし分かった、今すぐいくから待ってろ!』


 えええええええええええええっ!?

 ちょっと黙っただけで何故そうなのる!?怖ッ!跡部の直感怖すぎるんだけど!!??


 「べっ、別に話し難い訳じゃ」


 プーップーッ・・・・。

 切るの早ッ!?

 こっちの言い訳すら話させる時間を与えないとかとんだけよ!?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ