幸せのカタチU
□第三十三話
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連日の慌しさは学園祭が近づくにつれてドンドン酷くなっていく気がするのはきっと気のせいではないと思う。
だけどよく、忙しさは全てを忘れさせてくれると言うけど、それは実際にそうだと思った。
余計な事を考えずにいられる事は自分にとっては、とても楽だった。
楽だからこそ、頭から消し去っていた面倒事が、学園祭前日の現在になって自分に降りかかってこようとは思いもしなかった。
どうしてイベントの前日になると当たり前の事のように問題が起こるのだろうか?
某ゲーム会社が出した学園祭のゲームもそうだったけど、すんなり当日にならないもんかね本当に。
「あの、私ずっと何度も毎日のように確認してましたよね?なのにどうしてココにこうして未だ手付かずの布やらがあるんでしょうか?」
「そんな事言われても初めてだから上手くできなかったんだもん」
「仕方ないよね?」
「ってか、最初からレンタルにすれば良かったんじゃん?」
だから、レンタルでいいんじゃないかって私が最初に言ったのに、自分達で作りたいって言い張ったんだろうがアンタ達がっ!!
さもこっちに非が有るみたいな言い方やめてほしい!
「今更そんな変更なんて出来ませんよ」
「えーー、なんでよ?藤原さん実行委員でしょ?責任持ってよ」
「そうよ!このままじゃあ、お店出来ないじゃん!」
駄目だ、学園祭の準備やらなんやらの連日の多忙のせいで、今かなりイライラしてる。
だからだろうか、子供の勝手な言い分に早々にキレそうだ。
なんとか我慢と拳を握り耐える。