幸せのカタチ
□第二話
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室内に飛び込み制服を脱ぎ捨ててベットへとダイブする。
その時、携帯電話が震えだす。
専用の音楽。
気分は重くなる。
この世界にきて唯一やってしまった元凶。
「もしもし?」
『フッ・・・随分疲れた声だしてんじゃねーか優美』
「実際疲れてんのよ、なに?」
『今夜行く』
「嫌だ」
『ッ・・・何でだ』
「何度も言ったでしょうが、私は誰にも本気にはなれないって」
『本気にさせると俺様は言った筈だ』
「・・・・・無理よ、アンタは・・・・アンタだけをちゃんと見てくれる相手だけを見つけて愛して愛されなさい、その相手は私じゃないわ」
『行くからな!』
「ちょ、景吾!・・・・切やがった・・・・はぁ・・・」
この世界に来て初めて出逢ったのが今の電話の相手、跡部景吾だ。
正直パニックを起こしてた。
突然知らない世界に連れてこられて、今日からココで人生を送ってくださいと言われても頭の整理なんてできなかった。
身体は中学生に戻ってるし、両親と兄弟は死んでいたし、一人暮らしだし金は湯水のようにあるし・・・・。
だからだろうか、出会った跡部が落ち込んでいたと言うこともある。
最悪なタイミングで出会って、慰めあった。
ってか、見た目こんなだけど中身29歳でしたからさ!!
なんというか、中学生に手を出した犯罪者気分でした。
それからは、ハッキリと謝罪もしたし断りもしたし説明もした。
色々端折ったけどちゃんと説明したのに、初体験の相手ともあり跡部は私に固執というか依存してしまった。
責任取らないといけないのだろうか。
どんなにも言っても聞かない、我侭。
結局、諦めた。
言うだけ言ってくるのはアイツの問題だと責任転嫁して逃げた。
だって、面倒は嫌いなんだもん。
数時間後、夕食の用意が終わったくらいの時間に呼び鈴がなる。
溜息をつきながら玄関のドアを開けると、突然の抱擁と大人顔負けのキスが襲ってくる。
「んっ・・・・んんっ・・・・ふんっ・・・っ・・こらっ」
「優美が悪い」
「いやいや、悪くないから」
「俺様を拒絶するお前が悪い」
「どんなっ・・・んんっ・・ちょっと!」
「否定するなっ・・・」
たくっ、どんな子供だコイツは。
玄関のドアを閉めて部屋へと移動すると手を引かれて寝室のベットへと押し倒される。
「・・・・夕飯、まだなんだけど?」
「知るか」
「・・・・・はぁ・・・」