幸せのカタチ

□第四話
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 一日に犯罪行為を二度も行った翌日の朝は、とても良いとは言えない朝だった。
 
 一度目のは相手から仕掛けてきたから言い逃れは出来るが、流石に二度目のはそう行かないだろう。
 
 自己嫌悪だ。
 
 ダルイ、家から出る気にもなれない。
 
 自宅の電話から今日は体調不良で休むと連絡を入れて目を閉じる。
 
 嫌われただろうなと思う。
 
 気分が重い。
 
 気がつくと携帯電話を再度持ちコールしていた。

 
 『珍しいな電話してくるなんて』
 
 「・・・・ねえ景吾」
 
 『どうした?』
 
 「・・・・景吾は・・・・・」
 
 『優美?』

 
 私は今、何を聞こうとした?
 
 ヤバイ、だめだろ人として。
 
 大人になるとズルイ人間になるというけど本当らしい。

 
 「なっ・・・なんでもない、ごめん」
 
 『おい、どうした?』
 
 「本当ごめん・・・ちょっと体調悪くてさ・・・情緒不安定ってヤツかな?ごめん、大人しく寝るわ」
 
 『おい、大丈夫なのか?お前変だぞ?』
 
 「本当平気、朝食べるヨーグルなくてさ・・・」
 
 『・・・またかよっ、たくっ・・・心配させやがって』

 
 優しいよね跡部は。
 
 だから、甘えたくなるんだ。
 
 そんなのは許されないのに。

 
 「朝練中でしょ?」
 
 『いや、今終わって着替える所だ、じゃなきゃ電話なんか出れるかよ』
 
 「そっか・・・・ごめん」
 
 『学校休んだのか?』
 
 「うん、だから平気寝とく」
 
 『今日』
 
 「無理、来ないで」
 
 『・・・・・・』
 
 「本当、ごめん」

 
 それだけ言って電話を切った。
 
 駄目だなぁ。
 
 本当、何やってんのか。

 
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