幸せのカタチ

□第七話
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 この世界に来て初めての夏休みが目前に近づいてきている。
 
 制服は夏服へと変わり、キャラと関係のある格好する度に感じるコスプレをしている羞恥心も未だ健在だ。

 
 仁王と昼にたまに昼食を取るようにはなったが、これといって数日前と比べれば平穏な日々を過ごせてはいた。
 
 跡部と仁王、特に親しいと言うのはこの二人だけで他は極力避けて行動してるから関わりあいもない。
 
 幸村とはあれいらい話しはしていない。
 
 私が避けているというのもあるけど、彼は基本的に目立つし常に誰かしらに囲まれている。
 
 少し残念には思うのはそう仕向けているのに変かもしれない。

 
 とにかく、このまま何事もなく夏休みに突入してくれればいいと願うばかりだ。

 
 ジメジメとした梅雨も明け、ウザイくらいの暑い夏がやってくる。


 
 「ねえねえ、藤原さんは夏休み何か予定があるの?」
 
 「えっ?んー・・・そうだなぁ、特には」
 
 「エー、藤原さん彼氏とかいないの?」

 
 同じクラスの女子達は夏休みに向けて胸を躍らせている。
 
 若いなぁなんて思っていると、唐突に声をかけられた。
 
 今年の学園祭、ミス立海に選ばれるだろうと噂されている同じクラスにいる美少女、中原絵里香は周囲の男子が見惚れるような可愛らしい微笑みを浮かべ無邪気に聞いてくる。

 
 これが天然だったから本当に可愛いのになぁと思ってしまう。

 
 こんな若いうちから化粧をして着飾る少女達の意味がわからない。
 
 せっかく何もしなくても綺麗な肌をしているのに、自ら壊していくなんて数年後に後悔するぞと教えたくなる。
 
 男子テニス部のレギュラーと親しいとか噂は様々、自分が綺麗だと自覚して行動しているぶん凄いと思う。

 
 こうして質問しながらも、しっかり周囲の男子の視線を気にして行動している。

 
 「中原さんは何か予定でもあるの?」
 
 「エー、私はぁ、遊びに行く約束しちゃった」
 
 「マジで!?だれだれ?」
 
 「秘密だって約束したしぃ」

 
 聞いて欲しいのだろう言い方前回。
 
 本当、子供って大人よりも面倒かもしれない。

 
 「夏休みになったら大会があるからぁ、最初にある休みの日に遊びにいくに事なったんだ男子テニス部の丸井君達と」
 
 「えー!!!!!!!いいなぁ!!」
 
 「友達も誘ってもいいって言われたんだけどぉ、誰かくるぅ?」
 
 「行きたい!!」

 
 なんていうか、角砂糖にたかる蟻って感じだなぁ。
 
 凄すぎる、丸井ブン太甘いものが好きなだけあって蟻ホイホイだよ君。

 
 「藤原さんは興味ないの?」
 
 「えっ?」

 
 なんと言うか、これだけ注目を集めているのに私一人反応しないのなんか無視してくれればいいものを・・・・。
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