幸せのカタチ

□第九話
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 気温はすっかり真夏並みで、暑さにじんわり額に汗がうかぶ。
 
 お化け屋敷を出た後、私達はそれぞれ時間をかけながらもアトラクションに乗っていた。
 
 けどさ?一般的に乗るって言う数を超えている気がするのは私だけだろうか。

 
 絶叫系を時間を空けつつも既に4連続乗っている。
 
 正直、今日使う筈の体力を全て使いきったような気分だ。


 
 「あ、あのさ、そろそろお昼にしない?」

 
 今まさに新しい乗り物へと意識を飛ばしている丸井に慌てて声をかけると何人かの救いの眼差しを受けた気がした。
 
 そりゃあそうだろう、いくらなんでもタフすぎるぞ丸井ブン太。

 
 私の提案に賛成する意見が出て、ひとまず行き先はレストランになった。
 
 昼時と言うこともあり何処も込んでいる。
 
 べつにちゃんとした所で食べなくてもその変のハンバーガーとかで私は平気なんだけど、どうやら島田少年は格好をつけたいらしい。

 
 「一時間待ち、くらいかのぉ」
 
 「ゲッ!?そんな待つのかよ」
 
 「昼時だからね、仕方ない気もするけどね」

 
 こんな暑い中、外で待つとかもう限界なんだけど。
 
 早く休みたくて視線を彷徨わせると丁度、バーガーショップの前の屋外テーブルが二つ開いた。

 
 「ねえ、あそこ空いたし行かない?」
 
 「え?ああ、いいね。俺は藤原さんの意見に賛成だけど皆はどうかな?」
 
 「賛成!」
 
 「待つのもあれだし・・・・ そうだな、そうしよう」

 
 良かったこれで休める。
 
 席につき適当に座ると、何故か隣に座る仁王にギョッとしていると反対側の隣に幸村が座った。
 
 ちょっ、何これ!?

 
 「えっと・・・・他も空いてますよ?」
 
 「ん?ここも空いてるよね?」
 
 「え、ええ・・・・・仁王君はあっちに」
 
 「もう動くの面倒ぜよ」

 
 おいおいおい、うかつな事してくれないでほしい。
 
 ほらみろよ、可愛らしい顔を歪めてこちらを睨んでる少女がいるじゃないか!

 
 「わ、私買ってくるから!皆何にする?」

 
 こっこんなことでしか逃げられない自分が悲しい。
 
 本当は動きたくないのに・・・・。
 
 それぞれの注文を聞いて席を立ちレジへと向かう。

 
 それにしても・・・よく食うな丸井ブン太!!
 
 これじゃあデブン太って言われて仕方ないぞ!!

 
 「運ぶの手伝うよ」
 
 「はひっ!?」
 
 「フフ、どうしたの?」
 
 「いっいえ、まさか幸村君がいるとは思わなくて」
 
 「そっか、一人じゃあ運ぶの大変だと思ってね」
 
 「あ、ありがとう」


 
 これじゃあ逃げた意味がないっちゅーねん。
 
 確かに出来上がってきた量をみると助かるけど、でもココは脇役キャラ島田か笹本で良かったところだよ!
 
 中原さんが怖いなぁ・・・・・。
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