幸せのカタチ
□第十四話
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「ねぇ、次はあそこに行こうよ」
「うんうん、行こう行こう」
若いて、若いって本当に素晴らしいなぁ。
目の前で楽しそうに会話しながら小物店から衣類店へと移動を開始するクラスメートの女の子達を見て関心する。
面倒を避ける為にある程度はこうして誘われたら友人関係というものの為に行動している。
だけど、年齢の差と言うか好みが違いすぎる。
確かに見た目の年齢は中学生でも中身はもう成人者だ、ミニやらフリフリやらキラキラやらを好んで着ようとは思えないのだ。
でも、そんな事も言ってられなくて付き合いでお揃いの服とかも購入している。
この世代の子達の流行は当事者達のを参考にするのが一番な訳で、あからさまに自分では買わないような服を彼女達に付き合って購入している。
そのおかげかはわからないけど、一応、センスは悪くない格好ができているようだ。
「それにしても、藤原さんってお金持ちだったんだね」
「へ?」
「あー、私もそれ思った」
「?」
「お財布の中、結構入れてきてるでしょ?気をつけたほうがいいよ?」
「えっ?」
「中原さん達も気がついたみたいだし、中原さんはともかくその周りの子達って結構たちが悪いらしいから」
いや、明らかに中原さんもその部類の子だろ、とは思ったがあえて黙った。
確かに、買い物しようとサイフをあけて見たら万札何枚入れてんだこの野郎っと思わず似非神様を怒鳴りつけたい衝動にかられた。
毎月こうして無用ってくらい金を寄こしてくる、確かに助かるけども・・・・限度を考えてほしい。
何処の世界に月数百万も使って一人暮らししている中学生がいるっていうんだ。
大抵は銀行なんかに振り込む筈なのに、今回のこのサイフの中の金はあの男の悪戯以外の何者でもないだろう。
「お、親がさ旅行に行ってて・・・色々支払いとか頼まれてるからさ。お金そのまま入れてきちゃったの」
「あー、だからか」
「なんだ、びっくりして損した」
た、単純で助かった。
それにしても何でこのグループに自分が呼ばれたのか謎で仕方ない。