幸せのカタチ

□第十五話
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 「あ、ズリー!!!その肉、俺が取ろうと思ってたんっスよ真田先輩!!」

 「隙を作る貴様が悪い」

 「うわぁぁぁん、柳先輩」

 「二人共、静にしないか」


 何でこうなったか始まってしまった立海大付属中男子テニス部未来のレギュラーとの焼肉パーティー(?)。 

 大量にある肉が消えていく。

 この食欲はハッキリ言って凄すぎる。

 真田と切原は想像は出来たけど、仁王・・・・・アンタ肉なら食べるのね。

 談笑しながらも何気に食べている。

 何より驚いたのが、またも隣に座る幸村だった。

 結構食べてない?えっ?うそ?

 優雅に食べてる時ですら格好良いと思える幸村も、負けないくらい食べてる。


 「ん?どうかしたのかい?」

 「へっ?いやぁ・・・別に」

 「?」


 いやいや、誰でもアニメや漫画の幸村を知っている人がいたら驚くと思うよ?

 この人、本当に秋先で倒れるの?

 なんかイロイロと元気すぎない?

 まあ、元気な事は良い事なんだろうけど。


 そろそろ無くなってしまう肉を見て追加の肉を冷蔵庫から取り出す。

 キッチンからリビングにいる彼等を見て不思議な気分になる。

 きっとテニスの王子様を好きな子達はこんな光景を夢見ているのだろうなぁ。

 これは別に夢でも妄想でもない確かな現実なのに、こうしていても実感が持てない時がある。


 「まぁた、そんな顔して・・・・どうかしたんか?」

 「!?」


 急に耳元で声がして身体がビクッとなる。

 驚いて振り向けばそこには仁王がいた。


 「なっ何?」

 「手伝いに来たんじゃが・・・どうした?」

 「別に・・・・それにしてもよく食べるわね君達、関心した」

 「そうかの?運動部の人間ならこれくらい食べるじゃろ?」


 そうなのだろうか?

家によく来ている運動部のアイツは普通な気がしたけど。

 まあ、私よりは断然食べているから焼肉とかしたら結構食べるのかも。
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