幸せのカタチ
□第十六話
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彼女の事を最初に知ったのは妹から聞いた『カッコイイお姉ちゃん』が切欠だった。
勝手な先入観から彼女が他の子達と同じだと解釈して、酷い態度をとった。
そんな俺に彼女はハッキリとした物言いでそれを指摘してきた。
驚いた、妹を助けてくれた彼女は本当に善意で助けてくれたようで、彼女が怒るのも無理なくて、その後は何度も謝罪をしようと思ったが中々、そのタイミグがなかった。
と、いうよりは、彼女は俺を避けていた。
友人の人数あわせに仕方なく行ったあの遊園地、彼女と言う人物をハッキリと知りそして、自分の中に生まれた気持ちに気がついた。
俺は彼女に惹かれている。
変わった子から気になる子へそしてライバルへと彼女は俺の中でドンドンその姿を変えていく。
「君が試合をするのを怖いって思うくらい徹底的に」
早く終わった部活後、たまたま通りかかった公園のストリートテニス場。
遊園地や学校での彼女とはガラッと雰囲気を変えた微笑を浮かべて彼女はテニスコートに立っていた。
勝敗の決まる少し前からしか見れなかったが、そのテニスの腕前は自分が知っているどの選手よりも上のように感じ、ゾクゾクした。
強引に申し込んだ試合、彼女は動揺しながらも受けてくれたが、結果は俺の惨敗。
正直悔しかった、だけど、何よりも彼女のようなライバルが出来たことが純粋に嬉しかった、なのに。
「私は・・・・貴方達とテニスをする資格がない」
そう言って泣く彼女をたまらなく抱きしめたくなった。
その時、自覚した。
俺は彼女の事が好きなのだと。
同時に頭に浮かんだのは・・・・・。
「アレは、氷帝学園の・・・・跡部じゃないか?」
「えっ?」