幸せのカタチ

□第十八話
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 「ゲッ・・・・・そういえば今日だった・・・・」


 外の天気を見て視線を室内にあるカレンダーへと再び戻し深い溜息をつく。

 カレンダーには自分の字で赤く『水遣り当番』と記入してある。

 部活に必ず入らないといけない立海で特に入りたい部活も無く、形だけでもと入った美化部またの名を『帰宅部』には普段の活動がない分、長期休暇になると学校の花壇の水遣りをすると言う、面倒くさいものが存在する。

 普段からやる事がない為に自主的に花壇の水遣りをしているのだ、休みの日位免除してもらいたい。

 連日続く猛暑は本日も変わりなく、真夏の熱気が外へ行く意欲を削ぐ。


 「サボリたいが・・・その場合の連絡が・・・・、花壇の水遣り行けそうにありませんとか、明らかにサボリっぽいしな・・・・・仕方ないか」


 観念して自室に行き制服へと着替える。

 こうして制服を着ることに段々慣れてきているのが怖い。

 鞄を持っていざ、学校へと向かう。

 途中のコンビニでお茶を購入してそれを飲みながら校内へと入る。

 相変わらず賑やかな声が色んな所から聞こえる。

 職員室行き担当の今日に声をかけて花壇へと向かう。

 ホースから出る水を見てると水浴びしたい気分になる。


 「暑い・・・・・水浴びたい」

 「そうだなぁ」

 「だよねぇ・・・・」

 「海とか行きてーよなぁ」

 「あー・・・いや、海はベトベトするから、どっちかって言うとプールの方が」

 「あープルーも捨てがたいなぁ」

 「だよね・・・・・って!何やってるんですか丸井君!?」

 「あはははっ、やっぱ藤原ってノリいいのな」


 いやいや、何私ナチュラルに話してるの?

 気がつけよ!

 ってか部活している筈のコイツが何故ココにいる!?
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