幸せのカタチ
□第二話
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本当にどうしよう。
衣服を脱がされ相手も脱ぐ。
中学生がはまってしまうような事ではないのに、目覚めさせたのは明らかに私で悪いのも私。
何度か寝ているせいか、彼も彼で別の女を抱いていたりするのか一ヶ月の間にかなり手馴れたと思う。
さすが氷帝のキングと言うところだろうか。
一度だけ言った事があるから、もう他の女は抱いていないのかもしれないけど。
終わらせる理由になると、跡部から別の女の香水の匂いを感じたときに言った。
『他人の匂いが嫌いなの、そのマーキングをされている相手の所にさっさと帰れ。ってかそんな相手いるのに裏切るな。そういうやつは大嫌いだ。二度とココに来ないで』
そう言ったのに、翌日から何時もの香りで現れた。
以来、他人の匂いは感じない。
中学生の跡部の唯一の逃げ場なのかもしれない。
そう思うと、この手を振りほどけないのは大人のエゴなのかもしれない。
愛がないのに・・・・。
吐き出された欲望、それをティッシュでふき取り、グッタリとした身体をなんとか起こす。
「ご飯食べてないんでしょ?」
「・・・・ああ」
「どうする?」
「・・・・いいのか?」
「どうせ食べるだろうと思って作ったわよ」
「フ・・・貰う」
「そ、シャワーいってきて」
「・・・ああ・・・・優美」
「ん?」
「・・・・悪い」
「・・・いいえ」
圧し掛かる期待とプレッシャーと言ったところだろうか。
やっぱり中学生なんだなぁと思う。
色々な事がありすぎるんだ。
シャワーを浴びて出てきた跡部は置いてある自分の服に着替える。
私はそれを見て交代でシャワーを浴びて、すぐにキッチンに戻る。
食事の途中手を止める。
「今日は帰りなさいよ」
「・・・・・嫌だ」
「帰れ」
「嫌だ」
「・・・・心配するでしょ」
「っ・・・誰もいねーよ」
「執事さんが心配する」
「仕事だろ」
「・・・・・・連絡しときなさいよ」
「ああ」
結局、断れないんだ。
この捨てられた子供のようなガキを。
→【あとがき】