幸せのカタチ

□第三話
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 「私、仁王君のことが好きなの付き合って下さい」
 
 「・・・・・・」

 
 何で君たちはこんなところでそんなイベントをしているんだい?
 
 バカだろ?バカなんだね?
 
 思いっきり私の後ろで繰り広げられるラブイベント、現在の私は一人昼食中。
 
 物音一つ立ててれば最悪な状態になることは確実、だから物音一つたてずに食事中なのだが、味がわからない。
 
 こいつらは人の昼食を何だと思っているんだ。
 
 学校にいて唯一の楽しみだというのに。

 
 「悪いがごめんじゃ」
 
 「誰か・・・誰か他に好きな人でもいるんですか!?」
 
 「お前さんには関係ないじゃろ?」

 
 最もだ。だが、今の状況でそれは酷い。
 
 もっとこう・・・・いや、いい言い方か思いつかない。

 
 「分からないと、私諦めきれません!」
 
 「・・・・・」


 どうでもいいけど、早くどこかに行ってほしい。
 
 ってか、移動してやってくれ。
 
 そう思った時だった。
 
 ついつい、キュウリの漬物を力強く噛んでしまった。 
 
 カリカリッ。
 
 その音はやけに大きく静まり返った裏庭に響いた。

 
 ヤ・バ・イ!

 
 視線が背中に刺さっているのが分かる。
 
 嫌な汗が流れる。
 
 未だ大きめの形のまま飲み込んだせいか、喉がムチャクチャ痛い。
 
 ヤバイ、軽くこっちのほうが死にそうだ。
 
 横においていたお茶を勢いよく飲む。
 
 ゴクゴクゴクゴクッ。
 
 私は悪くない、私は悪くない、私は悪くない!!


 
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