幸せのカタチ

□第九話
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 「藤原さんって仁王と仲が良いんだね」
 
 「えっ!?」
 
 「あんなに女子に懐いてる仁王、初めてみたよ」
 
 「なっ懐く・・・・ありえない」
 
 「えっ?」
 
 「ううん何でもないです・・・・・仁王君とは少しだけ面識があっただけですよ」
 
 「そうなの?」
 
 「ええ」

 
 これ以上の面倒ごとはごめんだ。
 
 買って来た物をそれぞに渡していきようやく椅子に座る。

 
 「藤原・・・・これはなんじゃ?」
 
 「話かけるなって言ったでしょ」
 
 「俺はこんなの頼んでないぜよ」
 
 「野菜くらい食え、子供じゃないなら」
 
 「クッ」

 
 人に聞かれないように小声でやりとり。
 
 仁王が不満そうにしているのは、先程渡した物の中にサラダがあったからだ。
 
 あからさまに嫌そうにこちらにそれを返してきた仁王に、私はまたそれを返す。


 「うわぁ!?めっずらしい、仁王が野菜食ってる!?」
 
 「・・・・・」
 
 「本当だ、どういう風の吹き回しだい仁王?」

 「ッ・・・・・なんとなくじゃっ!」
 
 「何キレてんだよお前」
 
 「フンッ」

 
 眉を寄せながら口の中にサラダを入れていく。
 
 だいの男がハンバーガー一個とジュースだけってどんだけだよ。
 
 丸井みたいに4つも食えとは言わないが、せめてポテトくらいは食べろって思ったさ。

 
 「今度弁当作ってあげるから我慢して食べなさい」
 
 「ほんまじゃろうな!」
 
 「・・・・たぶん」
 
 「信じるからな!」

 
 そんなに強く念を押されると期待に沿いたくなるだろ。
 
 とりあえず簡単にご飯をすませてから再びアトラクションめぐりを再開。

 
 お土産も買い、そろそろ帰りたいなぁと思っていた矢先、問題が起きた。
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