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□ご挨拶
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ドーンとかバーンとかそんな感じの効果音がつきそうな無駄に立派な扉の前に連れてこられた。
この先にボスがいますよ、ってにおいがプンプンする、そんな感じ。
扉の前に立つと、緊張のあまりごくりと喉がなる。
失敗したらあの世にまっしぐら確定、らしいからね。
本当、冗談じゃないよ。

「じゃあ私は先に鳴のこと説明してくるから、呼んだら入ってきてねー」

軽い足取りで中に入っていったセイラさんを心細くなりながら見送る。

「じゃあミーは向こうにいるんで終わったら(というか生きてたら)セイラセンパイと戻ってきてくださいねー」
「俺も行ってっから」

楽しそうに…いや絶対楽しんでる二人はセイラさんが消えた途端にさっさと行ってしまった。
てゆうかおいカエル、心の声だだもれですけど。
隠す気もなさそうなんですけど。
二人とも元々セイラさんが目的でついてきてたような節があったから驚かないけど、それにしてもちょっと薄情だと思うよ。
だって心細いじゃん。
知らないところで一人きりって。
二人がセイラを目的にするのはわかるんだけどね。
すごい綺麗な人だし、気取った感じもしないひとで、魅力的だから。
扉の前でそんなことを考えていると(現実逃避とも言う)扉の向こうからセイラさんに名前を呼ばれた。
深呼吸してから扉に手を掛けて中に入り、そしてピシッと固まった。
ワイングラスを傾けて王者の風格を纏った男の人が机に足を投げ出して座っていたからだ。
まさにボスだ…!!
…足長いなうらやましいな!
冷や汗だらだらの私をジロリと眺めると彼は口を開いた。

「てめぇが…」

何か言わないといけないとはわかっているけどしゃべれない。
とんだむちゃぶりだ。
威圧感半端ない…!
取り敢えず目だけは逸らさないで暫く睨み付けられていると、ザンザスさんはセイラさんに視線をやった。

「許可してやる…後は好きにしろ」

…ってことは、許可でたんだよね?

『あ、ありがとうございますザンザスさん…!暫くの間お世話になります!』

がばっと頭を下げて、それから私はテンパって…




右手を差し出した。
って何やってんだ私は!?
いやいやでも今更手下げられないし!
更にだらだら冷や汗をかいている私を暫く見詰めた後、ザンザスさんは盛大に吹き出した。
ぶはーって。
てゆうかこの人こんな風に笑うの!?

「カスがこの俺に握手を求めるとはな」

春日…?え、オード○ー?
はてなを浮かべている私にザンザスさんはなんと握手してくれた。
あ、優しい。

「名前は何だ」
『香坂鳴です』
「てめえは気に入った。鳴がいたいだけここにいろ」

この時私は確信した。
ザンザスさんはいい人だ…!

『ありがとうございます!』

にっこり笑って言ったら、仏頂面のザンザスさんも微かに口角をあげてくれたようだった。










ザンザスキャラ崩壊…






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