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□エピローグ
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目の前に、大きな緑色の生物。
このかたち…私の知っているものより格段に大きいけど間違いない。
これは、
紛れもなくミトコンドリアだ…!
逃げないと、殺される…!
背を向けて走る。
けどどんなに走っても走っても距離は広がらない。
むしろ段々と近づいていって、
あと数センチ
これで私も終わりかな。
皆、さようなら。
死因:ミトコンドリア
とかマジで嫌なんだけどなぁ。
「…き…よ」
『…うぅ、み……みと…こんどりあ…』
「…起きてって」
『…んん…』
重い瞼を押し上げる。
ああ、あれは夢だったのかとようやく気づいて、死因:ミトコンドリアってなんだよと自分の夢に心の中でツッコミをいれる。
あんな夢を見た原因はわかってる。
昨夜彼と二人で夜中まで生物兵器から逃げ回るホラー映画を見てたから。
悶々と考えを巡らしてから、はたと目の前にいる人物に気がついた。
あれ…?
私ベッドで寝てたはずなんだけどおかしいな。
なんで床に寝てるんだろう。
そんなふうにしばらく固まった後ガバッと身を起こした。
そして目の前にいるひとに対する違和感についつい眉をひそめて凝視する。
なんか、綱吉なんだけど…、
なんだ、けど…若い…?
『んー?なんか若くない?夢?』
ガシッと綱吉の顔を掴み固定させ見詰めてから首をかしげる。
やっぱりなんか若い。
「いつまで10代目にそんなことしてんだ!!」
隼人が私を引き剥がす。
『あっれー?綱吉も隼人も若くない?…ん?』
自分の周りを見渡す。
そして合点がいき思わずああ、と呟く。
『バズーカー…?』
「その通りですよ」
突然沸いた骸が抱きつこうとするけど、もうなれたもので体を軽くひねってそれをよける。
骸は放っておいて恭弥とリボーンに歩み寄る。
『うわ、恭弥若い。リボーンは…なんかあんまり変わってない気がする…?』
リボーンていくつなんだろ?
知りたいような知りたくないような。
次に武と了平のとこに移動する。
『了平も武も少し若いね。…隼人は10代目10代目だし』
やっぱり何年たっても隼人は変わらなかったか…。
そして最後に先程スルーした骸を振り返る。
『骸はやっぱりセクハラだよね』
結局3年経ったって、私が結婚したって、セクハラはなくならなかった。
今では私も成長したから避けられるけど。
「…ねぇ、いつの間に僕のこと呼び捨てにしてるわけ」
恭弥がそう言ったけど、綱吉の次に私に呼び捨てにしていいって言ったの、恭弥なんだけどなぁ。
まぁ、この時代の恭弥が知るわけないけど。
「皆呼び捨てにしてんの?」
『皆がそうしろって言ったんだけど…』
「鳴は雇われてるのに?」
綱吉がが首を捻って不思議そうにしているから、私は言った。