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□忘れたころのメイド服
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しばらく廊下を手を繋いだままクロームちゃんと歩く。
クロームちゃんが急に立ち止まるとこちらをふりかえった。
「ね、鳴。今ボスやきもちやいてたね」
私女なのにね、そう付け足してクロームちゃんはくすくすと笑った。
『…やきもち?なんのこと?』
クロームちゃんは驚いたように目を見開いく。
んん?何でそんなに驚くの?
「もしかして、気付いてないの?」
『何を?』
クロームちゃんは小さくボスも大変なんだね、とつぶやいている。
だから何が?
仕事かな?
でもそれじゃあ話に脈絡ないにもほどがある。
頭を悩ませているとクロームちゃんは少し困ったような表情を浮かべる。
「やっぱりなんでもないから鳴は気にしないで?」
なんかはぐらかされたような気がしないでもないけど…ね?って言って小首をかしげるクロームちゃんがかわいいからそんなことはどうでもいいか。
かわいいは正義だ。
また歩き出したクロームちゃんについていく。
周りを見てみると一度も足を踏み入れたことがない場所だった。
そう言えば私って一部のフロアしかいたことないし…。
というか、ボンゴレ本部ってめちゃくちゃ広いんだね…。
庶民の私には理解できないよ…。
ここに来てまだそんなに経ってないけど、今度探検したいなぁ。
そんなこと言ったらツナさんにガキってばかにされそうだけど、せっかく広いんだから探検しなきゃ損だよね!
よし!今度言ってみよう!
なんて意気込んでいると目的地についたらしく、扉の前でクロームちゃんか足を止め、中に入ってとうながされる。