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□帰ってきた熱血漢
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目の前に積み上げられていくお皿を眺めながらよく食べるなーと感心した。
本当にいいたべっぷりだ。
つくった甲斐があるってものだね。
男は食べ終わってお茶を飲み終えると、うまかったぞ!とにこやかに言った。
よく見てなかったから気付かなかったけどこの人もかっこいいなぁ…っていうか、どっかでこの人見たことあるような気がする…。
男の人は、皆の方に向き直る。
「帰って早々ちゃんと挨拶もせんですまんな!」
「いえ、大丈夫ですよ了平さん。長期任務お疲れさまでした。おかえりなさい」
皆さんが了平さんと挨拶を交わしている。
それにしても、ツナさんが敬語使ってるの珍しいかも…。
なんて考えていたら、急にツナさんが私を示したのでドキッとした。
「彼女が鳴です」
「例の使用人か」
ツナさんが頷くと了平さんは私の前に歩み寄ってきた。
わぁ、おっきいなぁ。
見上げないと目が合わない。
「俺は笹川了平だ!好きな言葉は極限にマキシマム!よろしく頼むぞ!」
『…マキシム…?』
「それはコーヒーだろ」
冷静にツナさんがつっこんだ。
マキシムもマキシマムもたいして変わんないって!
『はじめまして、香坂鳴です。よろしくお願いします、笹川さん』
「了平でいいぞ」
『じゃあ、了平さんて呼びますね』
了平さんはにこっと笑ってくれた。
なんだかこちらまで自然と笑顔になってしまうような、晴れ渡るような笑顔だった。
了平さんは何かを思い出したのか、はっとするとツナさんに向き直った。
「そうだ沢田、京子が皆元気にしてるか心配しておったぞ」
「俺たちは相変わらず元気ですけど…。京子ちゃんは元気でしたか?」
「ああ、心配はいらん。元気にしていたぞ!」
「そうですか…よかった」
ふわり、ツナさんがいつになく柔らかい笑顔を浮かべた。
その笑顔が京子さんに向けられたものだと思うと胸が締め付けられるような心地になる。
これが嫉妬か。
なんだか、自分が嫌になるなぁ。
…そういえば、以前リボーンさんが京子さんのお兄さんがボンゴレの幹部だといっていたし、了平さんがそうなんだろう。