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□言えない
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ツナさんが権力にものを言わせてくれたおかげで警察官たちからはあっという間に解放された(お兄ちゃんは不思議がってたけど)



そのまま家に戻ろうとするとお兄ちゃんにストップをかけられた。



「鳴は美容院に行っておいで」



さっきざっくり切っちゃったけど、自分でやったからとても綺麗とはいえない状態の私の髪の毛。



お兄ちゃんがそう言うのももっともだ。



「綱吉くんも一緒に行ってやって。家に来ても鳴がいないと寛げないだろうし」



ツナさんは苦笑して頷いた。



終わったら戻って来いよ、と言うとお兄ちゃんはさっさと家に行ってしまった。



お兄ちゃんが見えなくなったのを確認してツナさんに向き直る。



『本当すみません。面倒くさい兄が認定試験とかやらせちゃって…。その上こんなことにまで』



「気にすんなよ。試験もりゅーさんもなんか楽しかったし」



あ、楽しかったんだ。



まぁツナさん楽々こなしてたしな。



「それに、認めてもらえたのは嬉しかったよ」



真っ直ぐ、私を見詰めて意味深にツナさんは言った。



『嬉しかったんですか?』



「うん」



『…うちのアホな兄に認められて嬉しいんですか?』



「そういう意味じゃないよ…。鳴の家族に鳴との関係認められたから嬉しいって言ってんの」



『関係って…偽物じゃないですか』



「偽物だけどさ…。こんな分かりやすくアピールしてんのになんでわかんないかなぁ」



後半はよく聞き取れなかったけど、ツナさんは落胆したみたいだ。



なんかよくわかんないけど申し訳ない。



頭にはてなばかり浮かべてる私にツナさんはもういいよ、と言うとさっさと美容院行ってこよう、とさらに続ける。



それに頷いてから、美容院に向かって歩き出した。






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