06/08の日記

23:18
【SS】キミへの答え
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「改札で待ってて!」

気がつくと家を飛び出していた。
自転車の飛び乗り、最寄り駅まで全力でペダルをこぐ。

息を切らすのなんて何年ぶりだろう……荒げた自分の呼吸音を耳にしながらそう思う。

彼の様子がおかしいとはなんとなく感じていた。
二人でいるときに不意に瞳に宿る暗い影を。

『俺たちってなんなんだろうな、二見』
『何って何よ』
『いや……なんとなく』

相手が女の子だったら……否、昌悟じゃなかったらスマートに対応できる自信はある。
でも相手が昌悟だという時点で余裕も自信も吹っ飛んでしまうんだから、本当に恋って恐ろしい。

昌悟と付き合い始めてどれくらいの時が経つだろう。
高校は卒業し、二人とも今は別々の大学に通っている。
大学生といえば同棲……なんと甘酸っぱいことも思ったりもしたけれど、昌悟の親御さんが許してくれるわけもない。
俺としてはもちろん一緒に住みたいけど、恋人の両親に嫌われるようなことは避けたいからぐっとこらえている。

とにかく、今の二人はあまり会う時間がない。
メールや電話のやり取りも、以前に比べれば減ってしまっているように感じていた。

そんな矢先にさっきの電話。

『……二見』
『アナタから電話だなんて珍しいね、どうしたの?』
『俺とお前って……なんなんだろうな』
『恋人に決まってるじゃない』
『お前は……この先、俺にどうして欲しい』

言い終わるか否かの瀬戸際で、電話口から電車の音がこだました。
聞こえてくるのは耳慣れた駅名……俺が住んでいる駅のものだった。


−−−昌悟


愛しい人の名前を反芻する。
何度も何度も。
不安にさせた俺が悪いというのに、どうしても顔がにやけてしまう。
坂を上れば、駅は目の前。
彼にあったらこう言おう


「ずっと隣で笑っていて」




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ついったでの診断ででたお題でリハビリしてみました。

二主への3つの恋のお題:答えはもう出てる/ずっと隣で笑っていて欲しい/駅の改札口で待っていて

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