花の言、囁きて

□セイヨウヒルガオ
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次の日から、早速学校が始まる。

朝早くに起きて朝食をかきこむ。




「忘れ物はないね。お弁当はしっかり持ったかい?」

「はい、大丈夫です!」




一つツッコミたい。

歌仙さん、お母さん!?

もう台詞が完全にそれで!

ちなみに今日のお弁当も歌仙さん作。

すっかり一家を切り盛りする感じになってる。

流石です!




「? 何を笑ってるんだい?」

「いえ、なんでもないです。いってきます!」

「ああ、いってらっしゃい」




そして、本丸を出た私だった。






























登校初日。

さすがに授業はなく、まずは委員会や係決めだ。




「まず学級委員になりたい奴、手ぇ上げろ」

「は〜い!」




と、隣の甲斐ちゃんが手を挙げる。




「なんだ、小僧か。大丈夫だろうな」

「大丈夫ですぅ!あと小僧じゃありません!」

「んじゃ小僧と…あと一人男子か」

「あ、じゃあ僕がやります」

「おう、頼んだ。後の進行は二人に任せた」




そう言って、早々に席に座って目を瞑る先生。

完全寝る気満々…?




「さてと。じゃあ委員会から決めるわよ」




そこからさくさくと委員会決め、係決めが進んでいく。

ちなみに私は何の係にもならなかった。

いやぁ、やっぱ本丸には急いで帰りたいから。




「あれ?桜ちんは委員会とかやんないの?」

「あ、くのさん」

「『さん』付けなんていいってば」

「じゃあ、くのちゃん?」

「そうそ♪」




上機嫌に笑うくのちゃんはなんだか猫みたい。

………かわいい。




「うちの手伝いが大変で、委員会とか部活はいいかなぁ、て」

「えーもったいない!せっかくの高校生活、楽しまなきゃ損だよ〜」




まあ、確かに。

本丸と学校の往復だけってなんか悲しいな…

ただでさえ友達出来ないんだから部活くらいは…

いやでも本丸でみんなといる時間が……




「そんなに考え込む事じゃないと思うけど…」




うーんうーん…と唸る私にくのちゃんは呆れたように言う。

いや、くのちゃん。

これは結構深刻な問題なのだ…
 

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