□僕らのしあわせ
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*500打/カズヤちゃんへ*












僕らのしあわせ



グリモールドプレイス12番地。ここにいると、嫌でも昔のことを思い出す。楽しかったことも、辛かったことも、悲しかったことも、すべて。
「シーリーウースっ」
部屋のドアのところに立って男の名を呼んだ少年は、男が振り向くと嬉しそうに微笑んで部屋の中に入って来た。
「どうした、ハリー?」
シリウスはひどく優しい表情でハリーに話しかける。それまでの鬱々とした雰囲気が瞬時に和らいだ。
「見て、シリウス。これ片付けをしてる時にハーマイオニーが見つけたんだ。これって…………」
ハリーが差し出した紙を覗き込む。
「…………これは……」
シリウスの目がその紙――写真だった――に釘付けになる。
写真の中の彼らは、この上ない笑顔でシリウスに手を振っていた。






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