□ハリー誕生日記念リレー小説
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「ハリーの誕生日をお祝いしよう」
ジニーの言葉に、まず大賛成の声をあげたのがモリーだった。
「ええ、ええ、うちでやりましょう! 」
傷の癒えないビルについてフラーが聖マンゴ疾患傷害病院に寝泊りをするようになってから、ウィーズリー家では気を落としたモリーの姿があった。
ロンがいまだに不思議でならないのは、モリーが今やフラーを実の娘同様に思って接していることだ。

ビルの事件があるまでは、モリーはフラーへ嫌味を言って嫌ってさえいたようなのに、彼女たちはビルの事故をきっかけに、彼を支え一緒に生きていきたいという共通の思いで手を携ることになったのだった。
フラーが大きなトランクを提げて病院へ向かう日、モリーがフラーを抱きしめて、嬉しそうに微笑んで言葉をかけていた光景がロンの頭によみがえってきた。
モリーの言葉に感激した様子のフラーの涙は本当にきれいだったことを思い出して、ロンには周りの音も聞こえていなかった。
「ロン、ロンも賛成でしょ…何考えてたの?」
「違うよ、ハーマイオニー。フラーのことなんて考えてない!」
明るい表情を取り戻したモリーが1人ずつに意見を求めているところだった。



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