闇の砂時計
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それある晴れた土曜日の朝だった―
「レフト、行ったぞ!!」
「はい!」
俺、山本武はいつも通りグラウンドで野球の練習をしていた
もうすぐ地区予選だから気合入れ直さねぇとな!
今は練習試合中で
俺等のチームが守備
ピッチャーはもちろん俺で
相手チームを次々と三振にしていく
自分で言うのもなんだが
今の俺にこのチームでの敵はいない
九回全部を投げれる自信もある
あと一球で試合終了
俺達の勝ちだ
ボールを投げようとしたとき
「野球か〜!面白そう♪」
声がした方を見ると
綺麗なショートの金髪の少女がこっちを見ている
「最後の一回打たせてもらってもいい??」
何だコイツ!?
俺はビックリした
いきなり自分に打たせろと言うのもどうかと思うが
女子に打てるワケがない
後輩達がそいつを説得しているが
そいつは聞こうともしてない
面白そうなのな
「いいぜ!一回勝負だ!」
俺が叫ぶとそいつはニッコリと笑った
「そうこなくっちゃ!」
そして野球部のヤツからバットを借りるとバッターボックスへ立つ
女子には悪いが俺はどんなヤツにも手加減しない
いつでも野球は真剣勝負だ
俺が投げたボールは今日一番の球
絶対に打たれるワケない
カキーン
球は俺のはるか頭上を越え
見えなくなる
「Σじょっ場外ホームラン!?」
そして再びバッターボックスを見たときにはそいつは既に
居なくなっていた
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