愛と憎
□8話
3ページ/5ページ
「甘茶蔓」
あたしの目の前まで来た彼は、あたしの摘んだ薬草を見て確かにそう言った。思わず零れてしまったような小さな声で。
彼の金の瞳には、ほんの少し影がさしていた。
「え…?」
思わず聞き返す。
「メシだってよ」
何も無かったかのようにくるりと踵を返す。
「あ、うん。
呼びに来てくれて、ありがとう」
慌てて返事を返す。
そして籠を抱え、彼を追った。
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ